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医療委員会実技講習会
「山における救急蘇生法―AEDの使い方も覚えよう」
開催される



実技講習会「山における救急蘇生法―AEDの使い方も覚えよう」開催される

野口 いづみ
 9月3日、日本青年館において医療委員会・指導委員会共催で、実技講習会「山における救急蘇生法―AEDの使い方も覚えよう」を開催した。募集を上回る31名の講習者が参加し、朝9時から夕方4時過ぎまでの講習に熱心に取り組んだ。
 藤枝医療委員会委員長の挨拶の後、野口いづみによる講義「山での救急蘇生について」を行い、蘇生法の概要の説明を行った。最後に昨年10月の山岳耐久レースで、心停止した傷病者においてAED(自動体外式除細動器)によって蘇生された1例が紹介された。その後、午前中は心肺蘇生法について、ビデオ上映と実技指導を交互に繰り返した。実技は1班6〜7名の5班に分かれ、各班に悳秀彦氏他のインストラクターがつき、きめ細かな指導が行われた。
 救急蘇生法は2005年に大幅な改定がされ、今回はG2005と呼ばれる新しいガイドラインに沿ったプログラムで行った。

 新ガイドラインでは胸骨圧迫心臓マッサージが重視されており、実技もまず胸骨圧迫実技から入る点が目新しかった。次に、気道確保と人工呼吸の実技を行った。人工呼吸はうまく入らなかった場合や、感染の危険がある場合にはそれ以上行わなくても良くなった。うまく吹き込めずにあたふたしたり、口対口による人工呼吸を逡巡することで、時間を無駄に費やすよりは、一刻も早く心臓マッサージを開始することが必要だからである。引き続き、心肺蘇生を通して行った。従来、心臓マッサージと人工呼吸の比は15:2だったが、今回のガイドラインでは30:2になり、心臓マッサージの回数が増えた。午前中の講習の最後に異物除去実技を行った。異物除去は簡略化されて、わかりやすくなった。

 午後の実技はAEDの実際の使用手順について行った。救助者がAEDの電極を傷病者の胸部に貼付すると、AEDが心電図を解析して電気ショックが必要かどうか判断してくれる。電気ショックが必要ならばボタンを押すように指示される。電気ショックが一刻も早く行われることが蘇生に重要なので、意識不明者を発見した場合には最初に救助を呼んでAEDを迅速に現場に持ってきてもらうことが必要である。受講生は迫真の演技で、救助を呼び、AEDを持ってくることを指示し、実習室はにぎやかな声と熱気に包まれた。

 その次に、シナリオトレーニングを行った。たとえば、「北アルプス涸沢周辺、9月初旬、14時頃、ヒュッテ近くで2人パーティーのうちの32歳男性が不調を訴えた後、意識を失い、倒れてしまった。近くに別の登山グループがいた。山岳警備隊詰め所にはAED設置済み」という状況設定をして、「同行者」である講習生にどのようにしたら良いか、心肺蘇生の手順を実際にやらせるという実技であった。臨場感があふれ、一段と熱心に講習が行われた。

 さらに、応急手当の概要について説明が行われた。また、質疑応答ではアナフィラキシーショックへの対処などについても、活発な質問があった。最後は、黒川指導委員会委員長から、講習生へ、"今後の山岳救助における活躍を期待する"旨、挨拶があり、修了証が講習生に授与された。
 講習後のアンケートでは、5段階評価で、「5:とても良かった」14、「4:良かった」12、「3:普通」1、「記載なし」1で、「2」と「1」はなかった。感想は、「繰り返し体験でき、効果的だった」、「AEDについて理解できた」、「インストラクターの指導が良かった」、「システムが整備されていてわかりやすかった」、「実践的で全員が参加できた」などであった。繰り返して実技講習を受けたいという希望も多かった。
 AEDは今後、救急蘇生に欠くことができない器械であり、多くの登山者が救急蘇生法実技講習会でAEDの使い方を学ぶことが望まれる。本講習会が山中の突然死を防ぐ上で役立てば幸いである。




  

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