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医療委員会実技講習会
「山で起きやすい怪我の応急処置と搬送法」開催される



医療委員会実技講習会「山で起きやすい怪我の応急処置と搬送法」開催される

野口 いづみ
 2月6日、医療委員会主催で、「山で起きやすい怪我の応急処置と搬送法」についての実技講習会が悳(いさお)秀彦委員を講師として、東京体育館で行われた。雪も予想される天候だったが、60名近い参加者が熱心に耳を傾け、メモを取っていた。今回は、止血法、そのほかの捻挫などの怪我の処置、搬送の基礎について行った。
 最初に事故現場で行うことは、安全の確認、緊急連絡、事故者の評価、応急手当、搬送の順になる。
三角巾
 怪我の応急処置のポイントは止血、救助者の感染予防、痛みの軽減である。ここで、感染を防ぐために手袋の脱着と処理方法を練習した。出血を放置すると血液が減少して、血圧低下や頻脈をきたす。全身の血液の量は体重の8%である。その10〜20%の軽度の出血では症状は一過性であるが、出血が進んで20〜30%になると血圧低下や顔面蒼白などのショック症状を呈し、30%以上では意識障害、呼吸障害などをきたして死亡する場合もある。止血の基本は5分前後、局所を直接圧迫し、その後、保護ガーゼをあて、包帯を巻く。悳講師は、ビニールシートの上に200mlの缶コーヒーの中身を撒いて、おおよその出血量を把握することと、冷静に判断する必要性を説いた。また、包帯と三角巾の使用法と止血法の実技を行った。切り傷、擦り傷、捻挫などのリアルなモデルと、負傷者の迫真の演技に、会場が盛り上がった。また、水を入れたビニール袋の角を切って、袋をしぼるようにしながら患部に加圧注水する洗浄法も紹介された。三角巾を用いて円座を作り、患部を保護する方法も、参加者に興味深い様子だった。
止血
 骨折、捻挫、筋肉などの怪我では症状が悪化する前に応急処置を行う。評価法としては、LAF(Look And Feel)→「見る」、「触れる」が原則で、「見るもの」は、DOTS(Deformities, Open wounds, Tenderness, Swelling)→「変形、開放創、圧痛、腫れ」である。骨折では出血量は必ずしも外見上からはわからない。上腕骨折で300〜500ml、下腿骨骨折で500〜1000ml、大腿骨骨折で1000〜2000mlなど、大体の出血量を覚えておくことが必要である。処置はRICE療法が肝要であり、Rest→「安静」、Ice→「冷却」、Compress→「圧迫」、Elevate→「患部の挙上」、これにSのSupport「補助」をつけて副木などによる固定をする場合もある。次に、実技で足首や膝の捻挫や損傷例やふくらはぎの痙攣、骨盤骨折に対する、具体的な処置法や固定法を見せた。靴を履いたままの足首捻挫固定法など、有効性が高いと思われた。
切り傷
 最後に搬送法について実技で示した。頸部損傷をしている場合もあるので、声をかけるときは傷病者の視野から動かないようにと注意しながら近づくようにとのことであった。ザック、あるいはザックとツエルトを用いた背負い搬送法を示した。疲れないように交代したり、周囲のものがサポートしながら搬送する必要性も強調された。
搬送
 講演後のアンケートでは好評であったが、時間が不足していたという感想や、繰り返し講習を受けたいという声があった。今後の参考にしたい。
 次回は、9月に京都にて講演会「登山と慢性病」(仮題)(講師 松林公蔵氏)と、秋に東京にてAED(自動体外式除細動器)の使用も含めた救急蘇生法の実技講習会を予定しているので、ご参加下さい。




  

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