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第23回日本登山医学シンポジウム開催される
| 第23回日本登山医学シンポジウム開催される |
| 日本山岳会会報699号(2003年8月号)「報告」より |
| 2003年5月31日、6月1日、大野秀樹会長(杏林大学教授の主催により、第23回日本登山医学シンポジウムが芝弥生会館(東京)で開かれた。会場は浜松町駅から徒歩7分と好立地であった。展望は浜離宮庭園を借景にし、小雨に煙る豊かな緑が、ロビーで休憩する参加者の目を楽しませた。参加者数は140名と例年よりも多く、盛況であった。主な内容は、以下のとおりである。 特別講演は佐藤祐造氏(名古屋大学教授)が「山と生活習慣病」について、該博な知識と広範な資料に基づいて、わかりやすく講演された。″自分が講演する時に役立つ″と、熱心にメモをとる聴衆もいた。 招聘講演は、ラダック・ツゾルト氏が 「低酸素と酸化ストレスについて」、流暢な日本語に英語を交えて講演し、内容ともども聴衆を魅了した。船木上総氏(苫小牧東病院)はモンブランでクレバスに落下した経験「登山と低体温−モンブランからの生還−」 について、人生観をまじえて話し、感銘を与えた。 教育講演は渡辺卓也氏(杏林大学教授)が「登山医学と臨床検査」について行い、あらためて高所が生体に及ぼす広汎な影響を勉強する事ができた。 シンポジウムはについては「登山と栄養」について行なわれた(バネリスト・阿部岳、山本篤、山本正嘉、内藤広郎、大野秀樹、百々瀬いづみ)。アミノ酸飲料(VAAM) の生みの親である阿部岳氏(理化学研究所)が基調講演をした。筆者は昼食後の講演としては珍しく居眠りをしなかった。講演内容も刺激的であったが、講演前に飲用したアミノ酸飲料には脳を賦活させる作用があるということであり、その効果とも思われた。 そのほかの講演も、それぞれの体験に基づいた説得力のある内容であり、興味深かった。功労質は永年の呼吸生理学についての登山医学研究に対して本田良行氏(千葉大名誉教授)に、奨励賞は「海外旅行中に飲用する(水)の安全性について」の研究に対し夏井正明氏(自由学園)に授与された。一般演題は21題(高所順応、遭難の調査、ダイアモックス、高山病の病態分析など)と、例年よりも多く、活発な討議が行われた。 最後に大野会長が「日本登山医学研究の昨日・今日・明日」と題して講演し、ダイアモックス委員会の設置、抗酸化サプリメント服用のガイドライン作成などの必要性を提唱した。 次回は橋本しおり氏(東京女子医大)によって開かれる予定である。発表された内容は医療関係者に限らず興味深く、実際に役立つものが多かった。一般登山者も本会に出席されたり、登山医学会の会員になることをお勧めする次第である。講演内容について、順次、本誌医療コラム欄「Climbing & Medicine」で紹介したい。 |
| (野口 いづみ) |
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