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54-730号





「富士山測候所活用に向けての動き」その後

堀井 昌子

 有人気象観測施設としての使命を終えて解体の危機に直面している富士山測候所を、高所科学研究の拠点として有効利用したいと切望する科学者、すなわち大気化学、気象学、環境化学、高所医学、植物生態学、天文学、雪氷学などの研究に携わる人達は2004年8月に「富士山高所科学研究会」を設立して、これまでさまざまな活動を行ってきました。そのひとつとして研究会が昨年5月17日および6月26日に静岡および東京でそれぞれ開催した公開シンポジウムでは、参会者の賛同を得て、富士山測候所をよみがえらせる、富士山測候所を環境と健康を守る砦にする、日本のシンボルである富士山の山頂に建つ測候所を世界のために活かすという3つのアピールをしました。  
 その後も引き続き定例的に会議を開きつつ、また山頂施設の見学、実際の研究(高所医学、大気化学)等をおこないつつ、文部科学省および環境省を中心に山頂施設の受け皿の要請をおこなってきました。しかしこの受け皿となる機関等がないということで、「富士山高所科学研究会」が中心となり、富士山測候所を学術研究・教育等の分野において広く拓かれた施設として有効活用することを目的として、特定非営利活動(NPO)法人「富士山測候所を活用する会」を設立することとなりました。2005年11月27日設立総会を開催、続いて12月26日には設立認証申請書を内閣府に提出し受理されました。本年4月には認証される見通しと聞いています。この経緯の中では橋本龍太郎会員には、当初測候所の無人化が発表された2000年4月より、また、山岳会の会員各位にはその時々に温かいご支援をいただいてまいりました。山岳4団体三役懇談会の席、あるいは会報においてこの研究会の紹介の機会を与えていただき、また、平山善吉会長には申請中のNPO法人の理事就任を快く受けていただいています。
 去る3月4,5日、NPO法人富士山測候所を活用する会(申請中)が主催し、富士山高所科学研究会共催、大成建設自然・歴史環境基金、大成建設株式会社、三菱電機株式会社、富士急行株式会社の協賛を得て、「富士山測候所国際シンポジウム」が学士会館において開催されました。極地高所研究施設としての学術的活用案について、スイス・モンテローザ峰のマルガリータヒュッテで研究をしているハイデルベルグ大学のピーター・ベルチェ教授、中国・長白山で大気化学の研究をしている韓国・漢陽大学の金 潤信教授、さらにハワイ・マウナロア山で大気化学の観測をしているアメリカ海洋大気庁全球ネットワーク観測責任者のラッセル・シュネル博士、三人の研究者を迎え、海外における先進的な研究概要を学ぶとともに、富士山測候所の科学技術振興や発展にかかわる国内研究者同士との情報交換もおこない、富士山測候所の新たな役割と使命を確認することができました。
 最後に、会場で「国際極地高所科学研究ネットワーク構築」に対し「よみがえれ富士山測候所・アピール宣言」が五つの項目において掲げられたことを報告します。


   

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