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高所持参薬について


Q.10  エヴェレスト登山の舞台
2006/05/23 国府真紀 さん
 突然の投稿失礼致します。
 私は以前、製薬会社に勤め開業医さまを中心に営業をしておりましたが、退社後、役者をしている者です。
 6月に下北沢の劇場で、女性だけの登山隊でエヴェレストに登頂した舞台を上演します。実際に登頂成功した、1975年当時の登山について勉強しております。
 芝居では、アンナプルナとエヴェレストに登ります。
 7000、8000メートル級の海外の山に登る際、個人の常備薬のほかに、登山ならではの、「これは必ず持っていく」という薬などはございますでしょうか?
 1960〜1970年にヒマラヤや、国内外の山々に登ってらした登山家の方々をお呼びして勉強会を開き、いろいろなお話を伺いました。皆様とても健康で、登山中に薬を服用した経験はあまりないようでした。
 以前製薬会社に勤務していたこともあり、山での薬の服用にとても興味がございます。
 登山だからこそ持っていく薬、医療用品というものがございましたら、是非教えていただきたく存じます。質問の内容が具体的でなく、申し訳ありません。
 何卒、ご回答のほど宜しくお願いいたします。



A.10
 国府真紀さま
 1975年の田部井さんのエベレスト女子登山隊の持参薬の一覧がPDFファイルであります(貫田氏提供)。国府様のメールアドレスをjacmtmed@yahoo.co.jp宛てに教えていただけましたら、お送りできます。内服薬としては、抗生物質、鎮痛剤、ステロイドは必須で、登山だからもって行くという特異的な薬は少なく、高所対策の薬ということになるでしょう。高所対策として、現在でしたら、ニフェジピン(アダラート)とダイアモックス(と、バイアグラ)が入るようです。ステロイド剤は当時から持参しており、ソルコーテフとリンデロン錠が一覧に入っています。私でしたら中高年登山者のことを考えて、ニトロとアスピリンなども加えるでしょう。劇の案内を教えていただけましたら幸いです。面白そうですね。
(日本山岳会医療委員会  野口いづみ、貫田宗男)



Q.10-1  高所持参薬一覧 御礼
2006/05/30 国府真紀 さん
 野口いづみ様 貫田宗男様

 早速のご返答ありがとうございます。
 jacmtmed@yahoo.co.jp宛に私のパソコンアドレスを送らせていただきましたが、届いておりますでしょうか。
 私は、パソコンなどのデジタル機器の操作があまり得意ではないので、もし届いていませんでしたら申し訳ありません。
 野口様、貫田様からいただいた薬剤情報を、早速役者同士で情報共有させていただきました。舞台は、6月21日から28日まで、下北沢「ザ・スズナリ」という劇場で上演します。タイトルは「ガッツ!ガツ」です。もしできましたら、チラシを送付させていただきたく存じます。
 1970年代に、女性だけでヒマラヤを目指すことがどんなに大変なことだったのか、役づくりをしながら考えております。
 芝居の中で、登山に同行するDr.役がおりますので、薬剤一覧表は本当に感謝いたします。私の役も、登山に向けて体調が問題になっている隊員の役です。これまでの自分の人生では、触れることのなかった山々のことばかりを毎日考えております。
 また、何かありましたらご質問させていただくこともあるかと思いますが、何卒、宜しくお願いいたします。
 こちらの画面上で、野口様、貫田様からのご返答に対する御礼が遅れまして、大変失礼いたしました。



Q.10-2  高所持参薬一覧について
2006/07/12 渡邊直子 さん
 初めまして。今年、チョーオユー(8201m)登山へ行くのですが、どのような薬を用意すればよいでしょうか?一覧表のようなものがあれば、教えていただきたいのですが。

 ちなみに、メンバーは39歳、29歳、24歳、22歳です。



A.10-1
 登山に携行すると良い医薬品については、「登山の医学ハンドブック」(杏林書院、2000年発行)のp.168-174に示されています。また、ファーストエイド・キットについては、「山の救急医療ハンドブック」(山と渓谷社、2005年発行)のp.128-129に写真で示されています。特に、共通する一覧はなく、それぞれの隊で工夫して持参しているようです。
 実際は、メンバーの“年齢層”、“目標とする山の標高”、“使いなれている薬”、“医療関係者がメンバーにいるか”などということをあわせて考える必要があると思います。
 ご質問から、「比較的若年メンバーで高血圧心臓病などの持病はない、到達目標は約8200m程度、医療関係者の参加はない(→市販薬が中心となり、注射剤は含めない)」ということでお答えします。
 内服薬として、ダイアモックス(高山病予防薬、医師処方必要)、降圧剤(アダラートは高山病にも有効、バイアグラも同様な効果、医師処方必要)、抗生物質(医師処方必要)、解熱・鎮痛剤(アスピリンは血液さらさら作用もあり便利だが、胃腸障害に注意。鎮痛効果だけならアセト・アミノフェン(カロナール)が安全)、風邪薬(総合感冒薬)、咳止め(乾燥しているので。飴を沢山持参する)、胃腸薬(整腸剤ビオフェルミンなど)、下痢止め、下剤(コーラックなど)、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤(医師処方必要)、精神安定剤・入眠剤(医師処方必要)、ビタミン剤などです。その他、漢方薬にも便利な薬があり(「山の救急医療ハンドブック」p.154)、市販薬もあります。狭心症用に念のためにニトログリセリンを用意すると良いでしょう。また、エピネフリンキット(エピペン)があると心強いでしょう。
 外用薬としては、消毒薬(イソジンなど)、貼付薬(湿布薬)、軟膏(オロナインなど)、ステロイド軟膏、点眼薬、消炎鎮痛クリームなどです。
 ご不明な点があれば、メールをいただければ幸いです(jacmtmed@yahoo.co.jp)。本HPの医療コラム欄に高山病や薬(エピペン)の欄などがありますので、参考にしてください。
(日本山岳会医療委員会  野口いづみ)




   

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